ナブラ演算子ゲーム、カード感想
引き続きナブラ演算子ゲームネタ。ルールは前記事で追加したものを使った場合を想定しています。各カードに対する雑感です。
- x
延命のために使う。 - 1
延命のために使うのがほとんどだが、÷と組み合わせて1/sin(x)を作ると、微分->√で、lim supか0以外で消せなくなる関数作れるのでおすすめ。 - x^2
延命のために使う。 - d/dx
相手のx^nを叩くのに使う。0付近で減少関数を叩くと、0付近でマイナスな関数を作り、そこから√かlogかけると、lim x->0耐性がある関数作れるのでおすすめ。使いみちがないときは一気に消費してカードを回す。 - ∫
sinxを-cosxにすると√-cosxというかなり強い関数作れるのでこれを狙う。
定数項をいじれるルールを使って、自分の関数を0近傍でマイナスにする、相手の関数のf(0)を0にする、二回積分して、x項を相手に加え、振動関数を発散関数に書き換える。相手の周期関数の定数項をずらして、全域でマイナスな関数を作り、√かlogで定義域なしの関数にして消すテクニックもある。使いみちがないときは一気に消費してカードを回す。 - expx
自分の関数に加えるのが基本だが、相手のsinxをe^-x sinxなどにして弱体化することも出来る。 - log
相手のexpxをxにする。log(-cosx)を作る。相手の全域でマイナスな関数を空関数にして消すなど。 - √
√xを作る、√-cosxを作る。相手の全域でマイナスな関数を空関数にして消すなど。相手のx^2をxにするのはもったいないかも。 - ∇、△
相手のx^nを一掃するのに使う。詰めの攻撃で使うことが多い。 - limsup liminf 0
最強の攻撃カード、いざというときに使う。 - lim
攻撃カード、exp系を倒す。 - ÷,×
自分のxとか1にsinxやらexpxとかをかけて強化すると共に一気に使ってカードを回すのに使える。 - f^-1
arcsinx,arccosxを作る以外にはあまり使われない。arcsinx,arccosxは∞極限が取れないので結構強い。積分で作ったx^2+1などの逆関数も0極限耐性があって強い。
簡単に作れる関数で一番強いのはlimsupかliminfか0以外で消せない、√-cosx,log(-cosx)なのでこれを作っていればとりあえず安心です。
ナブラ演算子ゲーム、追加ルール提案
この前、東大でナブラ演算子ゲーム買いました。
ルール等は
を参照。
買ってから1日4時間ぐらいはこのゲームのことを考えています。素晴らしいゲームだと思います。
で、いろいろやってみて、定義域が空集合な関数の扱いや、|x|とxの違いやら、積分定数の取り扱いの曖昧さに不満を抱いたので、自分なりにルールを追加、修正してみました。ご参考下さい。
-
プレイヤーは任意のタイミングで自分あるいは敵の関数を正の定数倍することができる。(負の定数倍は不可)
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定義域が微分可能な領域を含んでいない関数、定義域が空集合な関数は0と見なす。例:log(log(sin(x))), log(-1/x^2) 注:単調増加関数の逆数とって微分してlogか√つけると簡単にできる。
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lim x->0はlim x->+0あるいはlim x->-0と解釈してもいい。
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定数倍ルールで関数を減らすとき、どれを残すかは関数の持ち主が決める。
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ある手持ちの関数が有限の領域で定数倍を除いて他の手持ちの関数と同じとき、どちらかの関数を消さないといけない。どれを残すかは関数の持ち主が決める。例:|x|とxが残ったときはどちらかを消さないといけない。
-
定義域Aに[a,∞) a∈Aを含んでいなくても、Aが上に有界でなければ、Aに属する単調増加数列a_n (lim n->∞ a_n =∞)に対して lim f(a_n)がa_nの取り方によらずαとなるとき、lim x->∞ f(x) =αと定義する。-∞への極限、limsupも同様。
例:lim x->∞ e^(-x)√sin(x) = 0、limsup x->∞ √sin(x) = 1 。追加2018/12/01 lim x->0も同様。 - 計算の結果は初等関数の組み合わせで記さないといけない。無限級数等で示すことも不可。例:∫exp(-x^2) =erf(x)は不可。
- limは±∞か、定数にならない限り取れない。例: lim x->∞ xsin(x) は不可。追加2018/12/01、これは公式ルールでもダメでした。
もともとが微分積分と親しむためのゲームなので、このような厳密化は公式には採用しないという気持ちは分かるのですが、解析上段者同士の勝負や大会など開くときに参考になればよいかと思います。
実関数だけだと何かと窮屈なので複素関数+超関数にゲーム拡張してデルタ関数カード、フーリエ変換カード、演算子の組み合わせexp(d/dx)とかを可能にするルール、などあればもっと楽しいかなと思いました。
命の価値と交通手段選択について
安いバスに乗るか新幹線に乗るかは、自分に取って命の価格が何円かと、新幹線の快適性の価値は何円かを考えれば判断できる。
フィルム写真を全部デジタル化した
フィルム写真をデジタル化するサービスがかなり安くなったので使用しました。
今はフィルム一本150円でできます。僕がやったときはキャンペーン価格でいろいろ込み3万円で2000年から2006年に撮った180本のフィルムをデジタル化できました。
これをこのままGoogleフォトに入れると全部日付が今日になってしまって大変になるのでexif情報をいじれるツールを使って日付変更しました。(Googleフォトの自動アップロードは作業中切っておきます)
日付スタンプ入れてくれるサービスもやっているらしいですが、これはたぶん、日付入りの写真しか無理です。
日付の特定には過去のメールや日記をかなり読み返してやりました。
京都は毎年時間がループしているので祇園祭とかの写真は分からない。こういうのは適当に日付うった。たまたま、春分の日の日付が写り込んでいる写真から年を特定したのが作業のハイライト。
で、あとの作業を自動化するために簡単なコード書きました。
使い方:
exiftoolを ExifTool by Phil Harvey からインストールする。
フォルダ名を20040501みたいにする。(手作業)
このコードを写真フォルダを置いたフォルダと同じところに置いて、
とやる。
いい感じになった。(2000年7月に撮影)
Googleフォトに入れると、無限に思い出に浸れる麻薬的ツールになりました。
整数が互いに素な確率を求めて円周率を出すコード
整数が互いに素な確率は6/π^2なので、それを使って円周率を求めるコード書いてみた。
関数gcdはユークリッドの互除法により最大公約数を求める関数。
1から100000000までの整数をランダムに二つピックアップし、3時間、3241430000回サイコロを振って、互いな素な確率を計算し円周率を求めた。
π = 3.14158916355と出て、3.14159までは正確に求まった。
整数の世界と幾何学の世界がつながっているのは面白い。言葉は違うが同じ対象を語っいるのだろう。
今年読んだ面白い小説ベスト5
5位
野尻抱介を年始に一気に読んだら、6月頃深センであえて嬉しかった。
ピアピア動画とかふわふわの泉も良いが、一番密度が濃厚だと感じるのがこの表題作。
ラスト1ページに畏怖に近い感動を覚える。未知へのあこがれを純粋に書ける作者は貴重。
4位
実験室に宇宙を作る話。十五分ぐらいで読める。限りなく繊細で雄大。
3位
インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI (HJ文庫)
- 作者: 米倉あきら,和遥キナ
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2013/02/28
- メディア: 文庫
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夢野久作がラノベ書いたらこんな感じになるんだろうなという小説。既に優れたレビューがあるのでそっち読んで欲しい。
強姦、ミステリ、そして倫理。―『インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI』 - 脳髄にアイスピック
エロい描写はない。ジャンルでいうならメタミステリー?
2位
「全員殺さないと出れない」というよくある感じのデスゲーム物かと思ったら、あさっての方向に話が飛んでいった。一番似ているものはセルオートマトン。
ルールは単純:
-
“ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n‐m=1とせよ。時間は無制限とする”
- 部屋にはドアが2つあり、片方が開く。
- ドアを開けると完全に同じ部屋があり、そこには卒業生がひとり寝ている。
- 部屋の数は無限である。
このルールの元に卒業生たちも作者も好き放題する。壁を掘る、ドアを破壊する。穴を掘るなどは序の口。ネタバレになるので書けないけど、デスゲーム好きな人もセルオートマトン好きな人も、文明史が好きな人も読んで欲しい。
1位
ダンゲロスシリーズの一つ、過去作は読まなくても、特に問題なく読めるはず。
特殊能力者がたくさんいる世界での学園紛争をえがいた作品。この作品において、特殊能力は妄想が極まって覚醒するもので、総じて下品なものが多い。
例1:「任意の空間に地球上の誰かの陰茎をテレポートさせる能力」敵を窒息させたり、足場に使ったりする。
例2:「人糞と炎を変換する能力」常にうんこを食べてる、食糞刑事の持つ能力、この刑事が人格者だったりするからたちが悪い。
こんなどうしようもない能力ばかりの能力者が智謀を尽くして学園紛争を戦う話。読む人は選ぶが、今年一番の小説であった。