精神医学ニュース

1.記憶を消す研究

http://www.telegraph.co.uk/scienceandtechnology/science/sciencenews/3298988/Scientists-find-drug-to-banish-bad-memories.html (英語)

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070702_memories/ (日本語)

短期記憶は消すのは簡単。消すような薬はいくらでもある。トラウマを作るのが怖い人はもしものときにそなえて常に持ち歩くとよいかも。

長期記憶を消すことは難しいと思われたが、記憶は思い出したとき消去可能な状態に再びなるということを利用して、「思い出す→すぐに短期記憶を消す薬を飲む。」という手法で消せるようだ。

記憶を消して何が嬉しいかと思う人がいるかもしれないが、消したいのに消せない記憶を持って生きている人は意外に多い。

つまり、いやなことを思い出したとき酒を飲んで忘れて寝るという手法は結構有効なのかもしれない。アルコール依存症になるかもしれないが。

2.ヨガは鬱に効くかもしれない。

http://abcnews.go.com/Health/Healthday/story?id=4507486&page=1 (英語)

タイトルの通り。ヨガで鬱(躁鬱?あるいは不安神経症)を克服した友人がいるので気になって調べてみた。

要約:鬱の程度は gamma-aminobutyricという物質の量(多い方がいい)で計れる。ヨガを一時間させるとこの物質の量が増える。ヨガのスタイルには関係ない。ヨガによる鬱の治療の研究はこれが最初(2009年5月)である。

論文を読んでいないのでなんとも言えないが、気になるのはプラセボ効果と比較してどうかということ。あとスポーツと比べるとどうなんだろう?あと被験者が少なすぎる気がする。たぶん本当に効くとは思うが、今の段階で慎重に客観的に言えるのは「ヨガが鬱に効かないとは証明できなかった。」ぐらいだろうか。さらなる研究が望まれる。 とはいえこういう研究のやりにくいだろう。二重盲研が使えないし、鬱の程度の定義も難しい。

だからといって一足飛びに結論に飛びついたり不確かなことを確かだと思ったりあるいは逆に研究を放棄したりするのは望ましくない。

分かること確かなことを小さくても一つ一つ積み上げていくことが大切だしそれ以外に方法はない。