関数のδ関数展開と内積の局所化について

昔作った定理の資料が散逸してしまったので再録。

以下積分区間は全て-∞から∞とする。

フーリエ変換の定義はF(ω) = ∫ f(t) exp(-iωt)dt これをf(t) → F(ω)と記す。

δ(t)はデルタ関数とする。

この文章における証明は物理屋の言う「証明」で数学屋の言う証明ではない。雰囲気で証明をやっている。

1.関数のデルタ関数展開

f(t) = F(-i d/dt) δ(t)

証明

δ(t)  1

(-i d/dt) δ(t)  ω

(-i d/dt)^n δ(t)  ω^n

より、

f(t)  F(ω) = Σ a_n ω^n のとき、

F(-id/dt) δ(t) = Σa_n(-id/dt)^n δ(t)   Σ a_n ω^n = F(ω)

フーリエ変換したものが同一なので、f(t)  = F(-id/dt) δ(t)

2.関数の内積の局所化

∫ f(t)g(t)dt =  F(i d/dt) g(t) | t=0

証明

1.より、∫ g(t) f(t) dt= ∫ g(t)  (F(-id/dt)δ(t)) dt = F(i d/dt) g(t) | t=0

補遺

デルタ関数展開はデルタ関数のn階微分が関数空間の基底になっていることを表してるみたいで面白い。

内積の局所化は積分の値をg(t)のt=0でのn階微分だけで評価できるのが面白い。

例えば、fをフェルミ分布関数とすると上の公式はゾンマーフェルト展開公式になる。