東京旅行記

面接を終えて気分が高揚した私はまずコンビニでポスターを捨て身軽になった。
 その足で電車に飛び乗りお茶大まで行く。あーさは駅で待っていてくれた。
 お茶大のイチョウは今が見頃だった。京都より季節が少し遅いようだ。
あーさとお茶大の中を歩く。研究室には見慣れた物理の本がならんでいた。大学のなかを一回りした後、近くの喫茶店で紅茶を飲みながら話をした。
あーさと別れ、池袋に向かう。高校の五つ下の後輩であるワカちゃんと劇を見る約束をしているのだ。
待ち合わせの時間まで一時間もあるので、サンシャインビルの中を散策する。民族雑貨を売っている店の店長と友達になった。詳しいつながりは分からないけど、友達の友達だろう。フェアトレードの話や豆料理クラブの話がもりあがった。
ようやくワカちゃんが来て、劇場に入る。中では劇団のDVDやポストカードが売られてたりファンクラブの申し込みがあったりとこの劇団の人気っぷりをがかもしだされていた。
劇が始まった。十年も前によんだ大好きな話。懐かしい。終わる頃には、感きわまってぼろぼろに泣いてしまった。
ワカちゃんと食事をして少しの間語り合った。
そしてワカちゃんとも別れ、もりゆ(M川嬢の弟)の住む寮へ向かう。途中で終電を逃したので、線路の上を1キロ歩くという珍しい体験をした。
 もりゆの寮はまるで九龍城のような雰囲気だった。眠くなったので少ししか話もせず、床に就いてしまった。